富栖(とみす)の名前は、杤原(とちはら)皆河(みなご)末広(すえひろ)の各村の頭の音に由来します。杤原、皆河、末広は、現在の姫路市安富町の北部に位置し、富栖村は、かつて兵庫県宍粟郡に存在していました。
昭和31年に安師村と合併したことで、富栖村の自治体名は消滅しましたが、その呼び名は現在でも地元住民から親しまれています。
まわりを山に囲まれた小さな村で、北進し続けると行き止まりになってしまいますが、その分キレイな自然は保護されており、BBQやキャンプなどのアウトドアにもオススメです。
安師(あなし)の里に、安師姫神(あなしひめがみ)に由来する安師川がありました。
ある時、里を通りがかった伊和大神(いわおおかみ)が、安師姫神に一目惚れしてしまい、結婚を申し込んだのですが、姫神はそれを断ってしまいました。
フラれた大神は腹を立て、安師川の上流に石を積んで源を塞ぎ、流れの方向を変えてしまいました。
そのおかげで、安師川(現林田川)は水量が少なくなってしまったのだと云われています(播磨国風土記より)。